ステンレスには磁石がつく? つかない?
こんにちは!
津守合金製作所 石川良隆です。
先日、お客様から
「津守合金の製品を購入したら、ステンレスなのに磁石がくっつきました。
もしかして、これは鉄製なのでは・・・?」
と心配そうなお問合せをいただきました。
どうぞご安心ください。ちゃんとステンレス製です。
そうなんです、ステンレスにも磁石がくっつくことがあるんです。
そもそも「ステンレス」とは、「鉄」にクロム等を添加して作られる「合金」の一種です。
一口にステンレスと言っても、様々な種類があり、
成分や製法により、JIS規格で「SUS304」とか「SUS316」という材料名が付いています。
なかには磁石にくっつくステンレスも、くっつかないステンレスもあります。
当社がよく使用している「SUS304」や「SUS316」という種類のステンレスは、
本来は磁石がくっつかない種類のステンレスです。
では、なぜ、当社の製品に磁石がくっついたのでしょうか?
それは、熱を加えたり、強い力を加えたりすると
金属組織が変化して、磁性を帯びることがあるからなんです。
当社の製品はステンレス加工品ですから、製造工程で熱や強い力が加えられています。
(例)
・ロストワックスパーツ……鋳造(ちゅうぞう)する際、ステンレスを高温でドロドロに溶かす
・パイプ製品………………曲げ加工をするときに、熱や力を加える
製造過程のなかで、本来は磁石がくっつかなかった素材が変化して、磁石がくっつくようになる、というわけです。
とはいえ、鉄のように「カーン!」「バチーン!」と磁石が引きつけられることは少ないように思います。
ゆる~く磁石が反応する感じです。
主成分は鉄なのに、合金にしたら磁石につかなくなったり、またくっつくようになったり・・・
不思議な性質ですよね。
ご質問ありがとうございました。
石川 良隆